最も使いやすい変則チューニングの1つがドロップDチューニングです。レギュラーチューニングの6弦の音程を1音下げてDにするだけでドロップDチューニングになります。ドロップDチューニングの利点は、6弦~4弦(DAD)がルートと5度の音の関係となるので開放弦でパワーコードを作ることができることです。これにより素早くパワーコードチェンジを行うことができます。またドロップDチューニングを採用することでリズムギターの低域にDとD#の2つの音が加わることで、レギュラーチューニングよりも重低音のサウンドを得ることができます。ドロップDチューニングを使った初期のロックの楽曲としては、言い得て妙な曲名のThe Beatlesの「I Want You (She’s So Heavy)」やLed Zeppelinの「Moby Dick」が挙げられます。
80年代~90年代にかけて、ヘヴィメタルの人気が高まるにつれて、ドロップDチューニングの存在は多くの人に知られるようになりました。